過去の仕事が役に立った知識

こどもをあやす

薬剤師の知識が実生活でも役立つ

薬剤師として資格を取得して仕事をしてきたことで一番良かったと思うのが、自分や自分の家族を含む人たちの薬の疑問の大半を自分で解決できるようになったということです。

もちろん私は医師ではなくあくまでも薬剤師ですので自分で薬の処方箋を書くことはできず、もっぱら市販薬や既に処方済みの医薬品についての知識に限定をされることになります。

しかし私達は普段の生活の中で非常にたくさんの薬に触れる機会があり、口に入れたり肌に塗ったりする瞬間にふと感じる疑問というものが結構たくさんあります。

薬剤師として勤務してきた知識の中でも実生活で特に便利だと感じるのが、薬の使用法や飲み合わせに関するものです。
私達は普段薬を飲むときには水を使いますが、食後にちょうど水を用意することができなかったり、別の飲み物の方が
都合がよいということがあります。

先に結論を言えば一般的な市販薬の場合水以外のもので飲んでも特に問題が生じるということはないのですが、効き目の強い医療用医薬品の場合には一緒に飲む液体によって効果に違いが出てきてしまう場合があります。

嫌がる子供にはジュースで飲ませてもいいか?

子供を相手に薬を飲ませるときに困るのが、苦い薬や飲みにくい大きさをしている薬を子供がなかなか飲みたがらないということです。
薬を嫌がる子供になんとか飲みやすくしてあげようと、好きなジュースなどを使って飲ませる人もいるようですが、実はこれは種類によってはよくない作用を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。

まず一番に注意したいのが子供に多い気管支喘息のための薬を飲む場合で、このときコーヒーやコーラのようなカフェインが含まれているものを使用してしまうと作用が強くなりすぎてしまい、神経過敏や不眠、動悸などの症状が出てしまうことがあります。

また子供で好きな人が多いグレープフルーツジュースは薬の効果を妨げやすい成分が含まれているので、血液関連の病気の薬を飲む場合には絶対に使用をしてはいけません。

もう一つ子供の栄養補給として牛乳を毎日飲むという習慣がある人も多いと思いますが、牛乳で薬を飲んでしまうというのも飲み合わせによっては危険です。
牛乳にはカルシウムが多量に含まれてしまっているので、薬を一緒に飲むと成分を変質させてしまい効果を薄めてしまうことがよくあります。

反対に牛乳に含まれている脂肪分が薬の成分と結びつき、非常に強い作用をもたらすということも多くあります。
子供の場合胃腸が弱い子も多いので、水に溶けにくい成分の薬を一緒に飲むと一気に溶け出して血液内に大量に吸収されてしまいます。

最近では薬の成分を阻害しないジュースやゼリーといったものも販売されているので、そうしたものを用いるのが最も安心な方法と言えます。